あなたに出会えて

「先生・・・。」

 涙がこぼれそう。泣いたらだめ。今泣いたら・・・。

「西野さん?もしかしてまだ体調悪い?」

 私は黙って小さく頷いた。今声を出したらきっと泣いてしまうから。

「大丈夫?保健委員、えーっと柚木さんだった?」

 先生は紙屑を拾いながら言った。

「はい。」

 黒髪を一つにくくった、眼鏡をかけた柚木さんが立ち上がった。
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