Dearest

紀代がクラスを出て数分、校内にチャイムが響き渡る。
太陽がまぶしい、うだるような暑さの中始まる5時間目。



窓ガラスに反射する光が白くて、眩しい。
目を細めて、それをぼうっと見つめながら・・・あたしは一人かんがえていた。


「告白された」

・・・そう紀代に告白してから、急に実感した。
先輩を思うと、胸がドキドキする。
一緒にいたいと思う。
この気持ちはきっと・・


・・・好き



先生の教科書を読み上げる声と、窓に反射する光。
そして、先輩への想いだけがあたしの中に・・・響いていた。


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