葱‐negi‐のレビュー一覧
気だるさや倦怠感の中に、みずみずしい一本の葱。 思わず生でかぶりつきたくなるような、素晴らしい描写で、ぐいぐいと引き込まれます! あなたも主人公と一緒に、実家までの道のりを辿ってみて。 そのあときっと、葱が食べたくなるから。
古株とはいっても、そのまた一部かもしれない。 が、私が親しんでいる多くの作家さんが、この作品を評価している。 ずっと手を出す機会をうかがい、手を出してもしばらく、感想もレビューも書けなかった。 この作品に漂うのは激動でも哀愁でもなく、疲労感かもしれない。 気だるく、優しく、適度なぬくもりと柔らかさのあるなにかが、けれど重たく背後からのしかかり、首に腕を回して抱き締めてくる――そんな、心地のいい疲労感。 決して悪い意味ではなく、この作品を読んだ時、私は疲れた。心地よい疲れ方だった。きっと主人公に影響されたのかもしれないし――もしかしたら、私の感じ違いかもしれない。 この作品がまた、静かにでも密かにでも、次の読者へ読み次がれていけばいい。 それだけはたしかで、ということは、名作と言えるんじゃないか。 星をけちる気さえ起こらない。
. 圧巻なのです。 ここにある彼の心情も彼を囲む景色も 決して他を寄せ付けない緊張感で ピリピリしています。 そこに、葱です。 凄いです。 読むしかないです。 .
セピア色の映像に突然現れる “葱”の白と緑。 そして、ラストのすがすがしさ。 唸る以外に何が出来ようかっ! なんともかんとも、為てやられた作品です。まさか、携帯でこんなスンゴイものが読めるとはっ! 恐ろしや、作者様。 貴方にぞっこんLOVEです。(←ほら、壊れた!)
何て作品を書きやがるんだ。友人に勧められて読んだはイイものの、この作品の著者が自分では無いのが口惜しい。 作者の才能に嫉妬したまま、今夜の俺は、布団に潜り込む事になるだろう……。 もう一度だけ言う。 「ちくしょう!!!」
誰の模倣でも、誰かの影響でも無い筈なのに、そこには確かに文学の先人達の匂いがある。 読み手に迎合すべく、流行り廃りに気を回した作品では無い。 僅かな頁数の中にこれだけ密度の濃い文章を織り込ませられるのは、並々ならぬ筆力が無ければ書けない。 読む人によっては、新鮮さと衝撃を感じ、又、別の読み手には、純文学に初めて触れた時の青臭かった頃を思い出させると思う。 ケータイ小説=恋愛物 そういう流れとは別の次元にこの作品は立っている。 読み手側には、多分幾通りもの解釈が出来る小説だ。 ひょっとしたら、これは作者からの挑戦状なのかも知れない。 惜しまれるべき点は、数ヶ所誤謬の選択に一考を願う部分が感じられた事。 しかし、それも作品全体を損なってはおらず、これも又、作者からの問い掛けなのかも知れない。 いずれにしても、一読では無く二度、三度と読むべき作品であると思う。
葱 まさかこれにこれだけのものが…… 描かれるリアルが胸に染みます この短いページに描かれる、静かな文章にこれだけ心揺さぶられるのは、確かな文章と繊細な描写あってこそ…… 良いものを見せて頂きました
タイトルからして何事かと思う感じが好きです。 中身も恋愛やら感動やら涙やら。 そんな使い古された流行り物ではありません、葱です。 とにかく凄いだけです。 皆様どうぞ行ってらっしゃいませ。