秘密な結婚


「ああ。……うん、分かったよ。…じゃあ」


ピ、と電話を切ると

彼の身体が私の上に滑り込んできて

私を抱き締めながら胸に顔を

埋めてくる。


「………」


「拓真?」


彼はそのまま黙って動かない。


私の胸の上の彼を見下ろす。

……つむじ…。

フフッ。可愛い。


背の高い彼の頭の天辺を見る事なんて

普段はないから

ジッとそれに見入っていると……。




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