秘密な結婚
『…拓真さま…!
お待ちくださいませ!』
……しばらくすると
隣の門がスーッと自動的に
開き始めた。
……すごい…。
中には天然記念物級の
広く立派な日本庭園が広がっていた。
「ここ…、家、なの?」
思わず訊ねると彼は
「?うん、そうだよ」
と、不思議そうな顔をした。
あり得ないわ…。
中に入り歩きながら思う。
……百メートルは進んだだろうか。
ようやく家の姿が見えてきた。
うわ…。
そこには大きさは読み取れないが、
そこら辺りの旅館の数倍はあろうか、
という様な日本家屋が
そびえ立っていた。