秘密な結婚


あれ…だけど…

サイズ…。


どうしてピッタリなのかしら…。


不思議そうに指を眺めていると、おじい様がニコリと笑った。


「わしは何でもわかるんじゃ」


得意気に言う。


彼と目を見合わせて

クスッと笑い合った。




――――。


「ねえ、本当に

別れるつもりだったの?」


拓真が私の首筋に唇を這わせながら

聞いてくる。


「え……。うん。

その方が……拓真の…

ためだと……」


吐息まじりに答える。


チラリと見えた

彼の熱い指先には

キラリと輝く誓いの証が見える。



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