秘密な結婚

恨めしく思いながらジッと

見つめていると

その瞼が、………ゆっくりと開いた。


何度か、パチ、パチと瞬きをして

その輝く瞳がキョロリと

私を捕らえた。



「あ…れ?

今……何時…?」


掠れた声で彼が訊ねてくる。


「もう、六時だよ。

起きなきゃいけないのに…」


「………のに?」


彼が微かに笑いながら

さらに訊いてくる。

………何よ。
その、嬉しそうな顔は。


………嫌な……予感が……。







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