秘密な結婚
守りたいもの
拓真はそのまま、クルリと踵を返すと
サッと部屋を出て行った。
あ…!拓真…!
私はガタッと立ち上がると
彼を追いかけようとして
ドアに身体を向けた。
「!!」
そんな私の腕を青木さんが
掴んでいた。
「…紗和ちゃん、春木課長は
関係ない、って言ったよ」
「あ…青木さん、離して」
「ダメだよ。
課長は好きにしていいって
言ったんだ」
「青木さん!
ダメなの…、今、一人にしちゃ、
ダメなのよ。
拓真が、苦しい時は、
一緒にいないと……!」
「……え……」