近くて遠い距離





「分かった。もう男は呼ばない。もう面倒臭いしね。」



そう言って麗夢ちゃんを見ると、それでぃぃんだよ。という感じで


うんうん。


と首を縦に振っていた。



腕を組んで。




…お爺ちゃんみたい…。




「じゃぁ、愛(あい)誘う?」



恵麻ちゃんが目をランランとさせながら私に近付いてきた。




ち、近い…。




「あ、うん。愛誘う?愛居たら面白そうだよね。」



「よし!今すぐ誘え!」



「う、うん。」



恵麻ちゃんの迫力に押されて愛にメールを打つ。



愛とは、


小野 愛(おの あい)


の事で、高校に入って仲良くなった友達だ。



これがまた、愛は笑い上戸で見てるこっちまで楽しくなる感じの女の子。



ツボが浅い。とも言うと思う。



――ピロリロリンッ――




「あ、返事来た。」



「どれ!?見せて!」



「あっ、」




携帯を胸ポケットから出してたら恵麻ちゃんに横から取られた。



「恵麻…落ち着け。」




麗夢ちゃんが恵麻ちゃんを見て呆れた声を出した。



うん…


もうぃぃよ。勝手にして。





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