近くて遠い距離
――*――*――*――
そして…
「カラオケに着いたぞー!皆の者!喜べ!」
「ギャハハハハハッ!」
カラオケに着いた。
…一人、変な人と爆笑している人が居るけど。
き、気のせいだ。
頭をブンブンと振る。
「塚、古泉は?」
「あ、なんかもう少しで着くって。」
恵麻ちゃんの質問に笑顔で答えると、恵麻ちゃんはあからさまに嫌そうな顔をした。
「…先に入っておこうよー。」
「…。」
うん。言うと思ったよ。
一瞬、顔逸らそうかと思ったよ。
「ねぇ~。」
「…。」
「ねぇ~?」
「うん、分かった分かった。分かったから。」
「やったー!」
結局、負けてしまった…。
だって…可愛ぃんだもん。
駄目だ、恵麻ちゃんのおねだりには勝てない。
先にカラオケの中に入る事にした私達三人は、暑い日射しから逃げるようにしてカラオケの中に入っていった。