近くて遠い距離
勝手に自分の中で話を進めて、古泉の隣で私をジーと見つめてくる友達に視線を移す。
何か私の顔に付いてる?
ん?と友達に向かって首を傾げると、その友達は私から古泉に視線を移した。
「来る?」
「俺、邪魔になんねぇ?」
「大丈夫だろ。田中さんが、ぃぃっつってんだから。」
ん~。とその場で伸びをしながら
なぁ?
と私に話を振ってきた古泉。
何でかほとんどの男は私の事を"田中さん"と呼ぶ。
仲がぃぃ女友達でさえもさん付けで呼ぶ人が多い。
これはきっと、"田中さん"がもうあだ名になってるんだと思う。
「へ?あ、うん!私は全然OKだよ!
あと二人、女友達が居るんだけど…ちょっと聞いてくるね!」
「田中さん、よろしく~。」
そう言って、私に投げキッスをして手をヒラヒラしてきた古泉。
それに無言で古泉を睨み付けて、また部屋に戻る。
「いつまでたってもノリが軽いんだから…。」
はぁ。とため息をついて12号室と書かれたドアを開ける。
「あ、お帰り!」
「モルモルマリマリ♪」
すると、ノリのぃぃ曲調の歌が流れていた。