近くて遠い距離
「んー、ただいま?塚、ちょっとぃぃ?」
「私はぃぃよ。」
愛が眉毛を下げる私に
どうしたの?
と心配そうな顔をして聞いてくる。
それに比べて、恵麻ちゃんは…―――
「大きくなったら、きーみの財布を覗きたい~♪」
暢気に替え歌を歌っている。
……恵麻ちゃんって本当にマイペースだよね。
うん。まぁ、ぃぃんだけどね。
部屋中に響き渡るようにスウッと空気を吸う。
そして、
「恵麻ちゃん。」
と。
「何~?」
良かった。聞こえたみたい。
「古泉の友達が来てるんだけど、連れてきてもぃぃ?」
「あ、私はぃぃよ~。」
「了解。…愛、ぃぃ?」
まぁ、恵麻ちゃんはOKしてくれると思っていた。
だって、すぐに知らない人でも仲良くなるタイプだし。
でも、問題は愛だ。
愛は、極度の人見知り。
嫌って言うかな。
そう言ったら悪いけど、あのお友達には帰ってもらおう。
愛から返事が来る間に頭の中で予定を立てる。