近くて遠い距離





「あーあ、狙われちゃって。」




古泉が楽しそうに言う。



多分聖が私をセフレで狙ってるって古泉は分かってる。




「古泉、教えたでしょ。」



「何を?」



「しらばっくれないで。昔、私と古泉がセフレ関係だったって教えたでしょ。」




そう言って古泉に詰め寄ると古泉はマズイ…という顔をした。




「何で教えたの!?」



「田中さんは俺のだって示しとかねぇと聖に取られるだろ。」




口を尖らせながら私を見てくる古泉に呆れる。



お前のになった覚えなんてこれっぽっちも無いんだけど。




「最悪。」




そう言って古泉を睨むと古泉は


ごめんなさい。


と謝ってきた。




「謝るなら最初っからしないでよ。」




またギロリ、睨んでから聖の方を向く。




「田中さん、好きな男のタイプは?」




突然それか。



確実に、体目当てっぽいな。






< 31 / 67 >

この作品をシェア

pagetop