近くて遠い距離





……た、確かに…。




二人の方が煩いかもしれない。



それと、愛はやっぱり笑いのツボが浅すぎる。




ハハッ、と軽く笑いながらマイクを握って一人で黙々と歌っている聖に目を向ける。



皆が喋ってるのに歌い続けるなんて、変わった人だな…。




そう思いながら聖の歌声に耳を澄ませると




~♪




「何、この声…。」





上手過ぎた。





少し掠れた低い声。



抑揚が付いていて、外れない音程。



声だけなのに私の体がゾクゾクと反応した。





「カラオケに連れてきて正解だろ?」




聖の声を目を閉じて聞いていると、古泉が得意気に言う。




「…うん。声が凄いセクシー。」



「エロいじゃなくて?」



「エロいじゃなくて、セクシー。」




真面目な顔をして首を傾げる古泉に少し低い声で答える。






…聖の声は、素敵すぎる。





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