近くて遠い距離
恥ずかしい通り越して、なんかもう死にたい。
そんな事を思いながら鏡で自分の顔を確認すると、やっぱりゆでダコみたいに真っ赤になっていた。
っていうか…
「何か言ってよ!」
さっきの台詞を私が言ってからずっと黙ってる聖。
お願いだから何か喋ってよ。恥ずかしいじゃん。
『…はぁ。田中さん。』
「何。」
甘い吐息が電話越しから伝わってきて、背筋がゾクゾクとした。
『田中さん…。』
「だから何。」
焦らしすぎでしょ。なんてツッコミながらちゃんと聖の言葉の続きを待つ私。
相当、聖にハマってる。