近くて遠い距離





それから…――――





佐伯とは学校が違うから途中で別れて恵麻ちゃんと一緒に学校に行った。



その途中になんとも嬉しい報告があった。




「そうだ!梨李愛(りりあ)ちゃん、今日のカラオケ、行けられるようになったよ!」



「え、マヂで!?」



「うん!マヂでマヂで!」



「弟は!?」



「大丈夫、治ったみたい♪」



「ホント!?良かったぁ!これでカラオケに二人っきりにならなくて済む!」



「梨李愛ちゃん…そんな事言わないの。」




恵麻ちゃんが頬を膨らませて私を見てくる。




…可愛ぃです。




鼻血が出そうなのを我慢して恵麻ちゃんに


ごめんごめん。


と謝っておく。



あ。そういえば梨李愛っていうのは私の名前だから。


覚えておいてね。




…塚、こんなに可愛くても怒ったら怖いからなぁ~。


恵麻ちゃんは。



怒った恵麻ちゃんを想像して身震いをする。




…想像しちゃいけなかった…。



怒った恵麻ちゃんを想像した私は、軽く後悔した。





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