近くて遠い距離





「本当にでけぇな。」



「待って…っ、」




そう言いながら顔を胸の間に埋める聖。




本当に人が来たら困る。



駄目だ駄目だ、と頭に言い聞かせて聖の頭を強引に押し返す。



でも、そんな私の両手を右手で掴んで――…





「最後までしないから。…イケナイことしよっか。」





妖艶に笑って私を誘う。




「人が来たら…!」



「大丈夫。そんな事考えられないくらい、とろかせてあげる。」



「全然大丈夫じゃないっ。」



「そう?でも、体はもう夢中で仕方ないくらいになってるよ。」



「はぅ…」




つり目な聖の瞳が私を射るよるうに見つめて、私の顎をチュウッと吸う。




その甘い声と、甘い刺激に、何も考えられなくなって結局、聖に流されるままこの日は甘い刺激を一日中受け続けた。






< 60 / 67 >

この作品をシェア

pagetop