近くて遠い距離
「ねぇ、そういえば何人でカラオケに行くの?」
「ん?恵麻ちゃん入れて今の処、三人だよー。」
さっき身震いしたせいで鳥肌が立った両腕を両手で擦る。
「三人かぁ…。もう少し人呼ばない?」
恵麻ちゃんが顎に手を当てながら地面を見る。
「うん。それ、私も思ってた。」
地面を未だ見ながら歩いている恵麻ちゃんを見ながら私は相槌をうった。
「誰を呼ぶ?」
「男…がぃぃよね。」
「うん。だって今の処、男って古泉一人でしょ?」
「うん。」
「志木誘えば?」
恵麻ちゃんが
これ、名案!
って感じで私に指を指した。
…いや…
だからさぁ…。
「志木、もう誘ったんだけど
部活で行けられない。
って断られた。」
私の応えを聞いた瞬間、恵麻ちゃんは
は?
という顔をした。
え、恵麻ちゃん…
顔…ヤバい…。
破滅的に不細工な恵麻ちゃんの顔を見て顔が引き攣る。
「だ、だから他の人誘おうかなぁって思ってるん「何なの、志木の奴!」…へ?」
いきなりの恵麻ちゃんの叫びに目を丸くさせる。