近くて遠い距離





「あいつ、いっつも部活サボって行ってないくせに、今日は梨李愛ちゃんの誘いを断って部活に行くってナメてんのか!」



「ちょっ、恵麻ちゃん、声大きいから。」



「許せん!」



「…。」




あぁ。もう駄目だ。


私にはこの暴走恵麻ちゃんは止められない。




と、脱力していると…



「恵麻、うるせぇ。」



「麗夢(らいむ)ちゃん!」




救世主が。




「ぎゃぁ!痛い痛い!」



「うるせぇ。あんた、梨李愛を困らせてんじゃないわよ。」



「痛いって!」



…痛そう。




麗夢ちゃんっていうのは、私達と同じ高校に通っている


吉田 麗夢
(よしだ らいむ)ちゃん。



美人で、でも気が少し強い女の子。




でも、人一倍、優しい。




私の、大事な友達。




「ら、麗夢ちゃん。もうぃぃよ。」



「あれ?ホント?」




私が慌てて麗夢ちゃんと恵麻ちゃんの間に割って入ると麗夢ちゃんは直ぐに恵麻ちゃんの腕をつねっていた手を離した。





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