近くて遠い距離





「で、どうしたの?こいつが叫んでいた理由は。」



「あーあのね、カラオケに志木を誘ったんだけど、

部活だから来れないんだって。


って報告したら叫んだ…みたいな。」




そう言って麗夢ちゃんに苦笑いすると、麗夢ちゃんは


馬鹿じゃないの。


と言いたげな顔を恵麻ちゃんに向けた。



その瞬間、恵麻ちゃんは空を見上げる。




…いや、誤魔化しきれてないよ…


恵麻ちゃん…。




「それぐらいで何叫んでんだか。ってか、誰と行くの?そのカラオケ。」



恵麻ちゃんから冷たい視線を外した麗夢ちゃんが今度は私に視線を向ける。



冷たくはないけど。



「あ、えっと。今の処、古泉と恵麻ちゃんと私だよ。」



「はぁ?古泉ってあの、古泉?」



古泉の話をした途端にあからさまに嫌そうな顔をする麗夢ちゃん。



…怖いよ、顔が。




「…う、うん。」



「もしかして、まだ好きなの?」



麗夢ちゃんが私を睨むようにして見てきた。






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