私の時間

小さい頃


私たちは、昔よく遊んだ公園に来ていた。
すべりだいも、ブランコも、鉄棒も、何にも変わってなくて。
変わったのは私たちだけ。
「懐かしいねー昔はよくこのブランコを押しあいっこしたな。」
蓮の座るベンチの隣に私も座り込む。
「楽しかったな...」
蓮の言葉、蓮の仕種が、私の心臓を興奮させる。
「れ、蓮...」
「ん?」
振り返る蓮の綺麗な顔。
純粋な瞳。なんだか昔と、全然変わらない。
「蓮はさ...」
今、1番聞きたいこと。
蓮は私のこと...
「蓮は、私のこと、どう思ってるのかな?」
ドキドキが止まらない。
きっと止まるつもりもない。
蓮の顔が、少しだけ吊った気がする。
もう、関係が崩れるかもしれない。
だけど...
「俺はお前のこと」
友達なら、私は諦める。もう好きにならない。なれないよ。
「昔から...」
少し期待しちゃう。
だけどどうしよう...もし友達って言ったなら...

「ドジでアホだなって思ってるけど。」
「.........え」
ど、ドジでアホ...?
友達でも好きでもない。
「そういうことじゃなくて...」
「でもそーいうとこ、嫌いじゃない。」

蓮は立ち上がって、軽く背伸びをする。
「昔から変わらない佐奈。」
ちょっと気が抜けたし!
蓮は、昔からこんな奴だったかな。いやなんか違うな。
「蓮、あんた彼女とかいる?」
無意識に聞いていた。
「いない。好きな人いるから。」
「えっ!?」
蓮に好きな人がいるなんて。
雪でも降るのかな?
それともこれは夢?夢なの?

「じゃあ、今から俺の寮に行くか!」
「り、寮て...」
「暇なんだよ。ゲームしよ!」
そんな瞳でお願いされたら断れない、やってやろうじゃないのよ!

私たちは再び移動。
私は幼なじみといえども、のこのこと男の部屋に入ってしまった。
気づいたのはもう遅い。
「昔よくやってたゲームだから覚えてるでしょ?これ」
「わ...わあぁ!かなり懐かしいこれ!いつも私が勝ってて、蓮泣いたよね!」
「な、泣いてない!」
蓮は慌ててカセットを入れる。

そして、ゲームが始まった。
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