こちら広報部



「佐久間丸先生~!部員一人集まったりましたよっと。」


職員室に入って早々、大きな声で喜びを報告する。
が、職員室にいた先生たちの恨めしそうな視線を買っただけだった。


「そりゃ、ご苦労さん。誰が入ったんだい?」


「二年生の仲摩 葵君!今日からここの生徒の……」


今日からここの生徒の子だよ!って言おうとしたのを

佐久間丸先生の言葉で遮られた。


「仲摩 葵って…あの仲摩か?!」


びっくりした様子の佐久間丸先生。
……なんで?


___ガラガラッ


元からボロくて音がなる木製の扉を
それはまた、一段と大きな音をたてて
やや雑に職員室へ 入って来たのは葵君。


「そうやで、先生。"あの"仲摩 葵。まぁ、そんなに驚くことじゃないっしょ?」


ほんと、どこ言ってもこうやから 困るわぁ…そう言いながら
だるそうに動いた左手で頭をぽりぽりとかく。


えっと…うち一人話が見えないんだが。

"あの"仲摩 葵ってどの仲摩 葵??

聞いたことないんだけど。


そんな疑問を抱えつつ二人の会話に耳をかたむける。
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