こちら広報部




「…ねぇ。これはなに?」


そう言いながら、うちが指差すのは


自分の左手。



その先に繋がってる…っていうより

しがみついてるのは



「いや、蘭ちゃんが怖いかなぁと思って。」


目をギュッとつぶった葵君。


「うち怖くないよ。だから離して。」


重いだけだし。

そういうと葵君は



「…怖いから握っててええ?」


かすれた声で言ってきた。



キューンッ!!!


やばいぞ…。今、心の中ですごい音がした。

そしてうちは


「も~…。分かったよ。いいよ握ってて。」


また折れてしまった。
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