こちら広報部




「ひぎゃぁーーーーっ!」

「うをぉーーーーーっ!」


さすがのうちもこれには驚き

葵君に抱きついた。



えっ?なに。

怪物並みのキック力の持ち主は

サッカーボールじゃなくて

校舎を飛び越え、意図的に

この部室を狙って


…人間キックしちゃった?


ってそういえば、うちとっさに葵君に抱きついちゃったけど

葵君は怖がってないの?


だって、葵君

うちをちゃんと抱きとめてくれてるから。


…って、この状態ヤバくない?


「わぁぁあーーっ!」


状態のヤバさに気付いたうちは


葵君の腕の中でもがき出した。



…が。

ビクともしない葵君の腕。

男の子と女の子の差ってものだ。



「ちょっと!離してよ!」


「自分から飛び込んで来たんやろ。
しかもこの状態いいし~。」


なぁにのんきなこと言ってんのこの人。

「って、それより。その足なんやねんっ!」


そう。この血塗られた足はなんなの?
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