こちら広報部
「なにを今更。俺と蘭ちゃんの仲やろ?あ~んなことやこ~んなことも…」
「してないしっ!だから、誤解を招くようなこと言わないでってば!!」
ほら~…。
ファン様怒ってるよ?
どうすんの?
ってか、どうしてくれんの!
「そんな言うことないやんか~。そんなの気にするなや。」
気にしてないのは葵君だけだよ…と
呆れながらファンの痛~い視線に耐えた。
と、そこへ
「え~、生徒の呼び出しをします。伊藤蘭さん、伊藤蘭さん。はやく戻って来てください!」
秀の声が校内に響き渡った。
…そういえば、委員会の仕事サボったままだった!
今の秀の声、完璧怒ってたし~!!
「ごめん葵君。もう行かなきゃ!じゃあ、練習頑張ってね!」
そう言って、一歩踏み出したとき
パッと腕を掴まれた。
そう、葵君に。
「…葵君?」
不思議に思い聞き返す。
「あっ、いや。なんでもないねん!委員会頑張ってな!」
そう言って、頭を照れ臭そうに掻きながら
じゃ、っと言って練習に戻った葵君。
手を握られたときの、葵君の心配そうな表情が気になったけど
うちはその場を後にした。