危険な学校
救急箱から消毒液を取り出して翼の膝にかけた。


「痛ってぇ~!しみる~!!」


翼が痛そうな顔をしながら叫んでいた。


「よくこれで部活出ようと思ったね・・?」


私は呆れながら特大のバンドエイドを貼った。


「よっし♪出来た!!」

「サンキュー。そういえばさ・・」

「ん?何・・?」

「姫奈男子とも結構普通に話せるようになったじゃん。やったな!」


翼はニッコリ笑ってそう言った。


「んー。そうかもね。だいたい元々恐怖症っていうより話慣れてないだけだったからね。」

「まぁ進歩したじゃん。じゃ俺帰るから。」



そう言って翼は椅子から立ち上がってドアを開けた。



「翼っ――!!」



私はとっさに翼を呼び止めた。

お礼が言いたかった。


「何?」


私は一呼吸して



「ありがと――」


と言った。






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