だけどやっぱり、好きでごめん
キャーーーーーーッ!!!廊下が絶叫に包まれる。


「お?お?」

 

松崎先生は周りをキョロキョロと見渡す。



「おっ、おい!えっと、ミチル?」

 

い、いきなり下の名前?



「はい・・・?」



「なんで皆叫んでんだ」鈍感っ!!




「・・・わかんないんですかっ?!先生がっ・・・あたしの頭を・・・なでるからっ・・・」

 


自分で言いながら恥ずかしくなった。

 


なんで?なんでいきなりなでるの?


松崎先生が口を開いた。



「あー・・・そっか、俺先生だもんなっ!兄弟多いからこういうの当たり前でさっ」
 


松崎先生の笑顔に皆、な~んだというような顔をする。

 


・・・そっか。

 

松崎先生にしたら、これは当たり前のもの。

 

あたしだけが、特別ってわけでもなくて・・・

 

あたしの事なんて好きでもなくて・・・

 


別に気にもかけてなくて・・・

 

ただの1人の生徒で・・・

 

なんとも・・・思われてなくてっ・・・

 

涙がこぼれるのと同時に、意識が遠のいた。

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