だけどやっぱり、好きでごめん
松崎先生がオロオロした顔であたしを見つめる。

店員さん達は、あたしの先生だって気づいてないんだ。

ププッと笑うと、気付かないフリをして別の商品を見る。

耳はしっかり松崎先生のもとへ。

「あれー、結婚指輪してるじゃないですかあ」

店員さんの声。その瞬間ずきっと胸がいたんだ。


「ああ、まあ…婚約中です」

松崎先生の声。聞くのがつらい。

「おめでとうございます〜♡奥さんにこれでもどうですか?」

ちゃっかりすすめる店員さん。
ピンクのお財布。
高級そうでおしゃれ。

「この財布にこれをつけたりして」

さらに差し出したのは、お財布につける金色のクマのカタチのストラップ。
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