君に逢いたかった理由。

「尋に名前をもらって、初めて名前を呼ばれた時…こんな綺麗な名前…いいのかな?って」


ゆっくりゆっくりあの日の記憶が流れてくる。





初めて名前を呼ばれて、嬉しかった。

だけど…すごく不安にもなった。


『架月』なんて綺麗な名前。
正直似合わないと思った。

綺麗な道を歩まなかった私に、夢なんて希望なんて無かった私には

不似合いな気がした。


だけど
尋が真っ直ぐ、優しく呼ぶから

私の名前は架月でいんだと思えた。


尋は私の月なんだ。


暗闇でも真っ直ぐ照らして正しい道を教えてくれる。



尋は…私の全てなんだ。


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