君に逢いたかった理由。
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「そういえばさぁ…」
『ん?』
ぱくりと尋お手製のタルトを食べながら、
ふと気になったことを聞いてみた。
「わたしの名前…なんで架月なの?」
『…ん?』
「いや…なんか気になって、さ」
『…ふぅ〜ん』
「ふぅ〜ん、じゃなくて…」
『架月は、さ?』
飲んでいた紅茶のカップをかちゃり、と置いて
尋は話し出した。
『その名前…すき?』
「…え?」
『気に入ってる?気に入らない?』
なんでこんなことを聞くんだろう。
質問したのは私なのに。
気づけばまた尋のペース。
「…もったいないな、って」