愛

彼はまた、出掛けていった。あたしは虚しくて、悲しくて、悔しくて、死にたくて…。気付いたら、ベッドの枠の部分に頭を打ちつけていた。こうすれば、死ねるって思ったから。その通りなのかあたしはまた、気を失った。

「…い。…つ？」
蓮の声が聞こえたような気がした。

あたし、また死ねなかった？また、同じ生活に戻らなきゃいけないの？

「大丈夫か？」
「蓮さん？…ごめんなさいっ…!!」
あたしを心配そうに覗く蓮にあたしの口から出た謝罪の言葉。でも、蓮は優しく笑って、いいんだよ。と言ってくれた。いつもなら、怒るのに。変だった。