ピンポーン。

「…誰?」
「お母さんが見てくるから、あんたは隠れてなさい。」
「…うん。」

お母さんの言葉に従って押し入れにかくれようとした時だった。

゛出てこいよっ!!千夏。帰るぞっ!!いるんだろ!?お前が出てくれば、お前の母さんは助けてやるぞ!?それから、子供も置いて出てこい゛

蓮の声が響いた。あたしは、息を詰まらせながら、心愛をベビーベッドに寝かせて、手紙を書いた。
《心愛をよろしくお願いします。あたしは…いつ帰れるか分かりません。
心愛。いい子でいてね?ママは…心愛が大好きだよ?ずっと、アナタの心にいるからね?
お母さん、迷惑かけてごめんね?》

机に置いてあたしは玄関に向かった。
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