「そこのお二人さん?ジェットコースター乗らない?」
「あたし、キライなんだけど。」
「いいじゃん。蓮君いるし♪」
ということで、あたしは無理やり乗り場に連れていかれた。順番が近づいてくると、あたしの顔が真っ青になっていった。香奈達ははしゃいでいて、雰囲気を壊すような事はしたくなくて、具合が悪い事が言えなかった。いよいよ、あたし達の番がきて、あたしは蓮の隣に乗せられて、ギュッと目をつぶって、バーに手をかけて、動きだしのを待った。

ギュッ…。

「手、繋いだ方が怖くないでしょ?」
「蓮…ありがと…。」
怖くて、何も喋らないあたしに気づいて、蓮は手を握ってくれた。

カタカタ…。

動き出したジェットコースターにあたしは蓮の手を強く握った。それに答えるように、蓮も強く握り返してくれた。
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