脱走

あれから、俺は我慢し続けた。でも、香奈チャンからの連絡はなかなか無かった。そんな時だった。
「…蓮君?千夏と連絡つかなかくなった。場所がわかんないの!!でも…場所はだいだい分かるから。」

ブチッと何かが切れた音がした。

「ハァッ!?ふざけんなよ?俺は我慢してんだよ!?探せ!!早くしろよ?」
「れ、蓮君…?ごめんね、だから…落ち着いてよ…?」

香奈チャンの怯えている声が聞こえて、素を出していた事に初めて気付いた。

「あ、ごめんな…?別に、怒ってなくてさ、怒った振りだから。で、場所知ってるんだよね?」
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