俺だけの可愛い子犬
「保健室‥行ってきな?」
「うん‥ゴメンね?」
そう言った紫音は、何だか
崩れてしまいそうな‥
今にも泣きそうな顔に見えた。
「紫音!!」
由南が呼んだ声も聞こえてないらしい‥
「俺、行ってくる!!」
2人に告げて、後を追った。
トボトボ歩いている紫音を見つけた。
「紫音!!」
呼ぶと同時に、腕を掴んだ。
「奏人君‥」
振り向いた紫音は、俺を見て‥
その大きな瞳から、ポロポロと
涙を溢した。