俺だけの可愛い子犬
「どうだった?」
調理室に戻ると、由南に聞かれた。
「泣いてた‥」
俺には、これしか言えない。
「は?何で?」
「分かんねぇ‥」
「何で、追って抱きしめるとか
しなかったのよ?!」
「手振り払われたし‥
何か、追って来ないでって
雰囲気だったから。」
「何弱気になってんのよ‥
奏人に追いかけてもらいたかったかも‥」
何だか、違う気がした。
紫音が泣いてるのは、
俺のせいな気がして‥
あれ以上、関われなかったんだ‥
俺がいることで
もっと、傷つけるような‥
「紫音!!」
え?紫音が帰ってきた。
「大丈夫?」