そのプレゼント、プライスレス

「ホントに最低だと思う」


学校の昼休み。
友人が憤慨しながら私へプレゼントを渡した。


「わー、ありがとー!」


開けると、桜の花に和柄が施してある飾りがついたコンコルドだった。
今まで使っていたやつが壊れちゃったから、とても有り難い。


「まー、彼はしょうがないよ、誕生日とか、記念日とか、そういうのどうでもいい人だから」


そう言って、私以上に怒っている友人を宥める。


「アンタはそーゆーとこ甘いわぁー」


不満そうにして、彼女はそう言った。



私だって、昨日はちょっと凹んだけどさ。


だって、しょうがないじゃん。




――私は、好きな人に誕生日を忘れられた。



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