彼女は店長

「ありがとうございます」

また店長がワインを注ぎ足す…

(けっこういいペースだぞ、これ…)

ボトルの半分がもう空いている。

オレも酔いが回ってきたことを自覚しだした。

店長はぜんぜんペースを落とさず、またワイングラスの足を白い細い指でつまみ、口に運んだ。

「料理長、今年で36だけどまだ社内でパッとした成績出してないのよ」

「36には見えなかったです」
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