【短編】君のカケラ
「そうそう、靴紐が解けちゃってさあ、そのままじゃ危ないでしょ? でね、その場で結び直したの」


「道の真ん中でか?」


あまりのバカっぷりに、思わず横槍を入れてしまった。


「うん」


(こいつもしかして、自分が死んでるって分かってないのか)


僕がそう思いたくなるほど、空は笑顔だった。


「それで車に轢かれたのか?」


首を横に振る空。
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