【短編】君のカケラ
「大丈夫か!?」


考えるより先に空の横に行く僕。
支えようとした手は、無惨にも擦り抜けていく。


「……足、失くなっちゃったよ」


空の声と身体が震えている。


「ハル……、嫌だよ。私、消えたくない。消えたくないよ」


「落ち着け! 大丈夫だから」


(そうは言ったものの、なんでいきなり消えたんだ? 柱の影!)


もう一度、空の姿を見る。
赤みの強くなった光が、窓から差し込んでいた。
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