【短編】君のカケラ
「最後にね……」


空の言葉がゆっくりと聞こえてくる。


「ああ」


「意識が遠退いていくときに、最後にハルに会いたい。って思ったの」


最後の最後まで、その姿を留めておけるように、必死に込み上げるものを抑える。


「ありがとう、いつも通りに接してくれて嬉しかった……」


その言葉を最後に、窓から暗闇が流れ込んできた。

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