【短編】君のカケラ
〜 一週間後 〜
「はい」
そう言って差し出された彼女の手には、綺麗に包装されている箱と白い手袋が乗っていた。
受け取りながら、彼女の首元を見る。
彼女は空いた手で、短くなったマフラーを掴みニコッと笑った。
「また転ぶと危ないから、手袋にしてみました」
その笑顔を見て、僕も笑顔になる。
「ありがと、こっちはゴディバ?」
驚く彼女。
「え〜、なんで知ってるの?」
僕は、白い手袋をして人差し指を立てた。
「それは秘密っ」
〜 END 〜