【短編】君のカケラ
「最初、驚いたじゃん。でもなんか、いつもと同じすぎて実感湧かねえし」


そう、空の姿は透けているだけで、さっき学校で別れたときのままだった。
グレーのブレザーに同色の短いフレアスカート。首にはクリスマスに彼女が編んだ、お揃いの白いマフラー。


(つーか、最初驚いたのだって、いきなり部屋にいたからだし)


「で、いったい何があったわけ?」


紅茶を一口飲みながら空に問い掛ける。
< 9 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop