【短編】俺とアイツ
小さくため息をつきながら、ビールを煽る。
「…俺もだ」
そんな心にもない言葉を乱暴に突き付けて。
アイツから視線を外し、もう一度ビールを口に含むと、何だか吐き気がした。
あー、くそ。
コイツのせいで大好きなビールがまずくなったじゃねぇか。
眉間にシワを寄せながら、一気にビールを喉に流し込む。
カンッと鋭い音を立てながら、机に空になった缶を押し付けた。
すると、くすくすと隣でアイツが笑う。
「机、壊れちゃうよ」
甘い声で俺の耳元で話すアイツ。
もう何なんだよ。