【短編】俺とアイツ




ふと、窓から差し込む光に目が覚めた。


その眩しさに眉を寄せながらゆっくりと瞼を開ける。


すると、すやすやと眠るアイツがいた。


長い睫毛を伏せ、薄く唇を開きながら寝ている。


はだけた布団から白く透き通るような肌が見え、俺は肩まで布団をずり上げた。




「…黙ってりゃいいのにな」




そう言いながら、頬に手を這わせると、アイツは微かに顔をしかめた。


その反応に小さく笑い、アイツの頭の下からゆっくりと腕を引き抜いた。


途端、止まっていた血が通い出してじんとした鈍い痺れが腕を貫く。




「…いてぇ」




思わずしかめっつらになったが、ここにアイツがいたのだと思うと、労るように痺れた腕を撫でた。
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