【完結】ヒミツのヤンキー姫に恋愛中!?

１５ 〜挑発するのはおびき出すため〜

「頼むよ妃菜……」

そう言ってあたしをギュッと抱きしめる翔平。



「……離してくれんか、翔平」

翔平の気持ちはあたしだってわかる。



「妃菜……オレにはもうお前だけだ。アイツを失った苦しみを分け合えるのは、お前だけだ」

翔平はあたしにはじめてすがりついた。



「……わかっとるよ。言われなくても、そんなコトわかっとるんや」

あたしやて苦しいんや。



あたしやてツライんや。

できるコトなら兄ちゃんに帰ってきてほしい。



「……妃菜、もういいから。オレが悪かった。ごめん」

「……ええよ。あたしも悪かったわ」