農園の食卓
いったん彼女をきれいにバラし、根幹となる内皮膜からのニューロレクチン判定法を使えばおおよその年代は特定できるだろう。

場合によっては、一時停止状態にして脊椎システムから内部探査。

Ⅳ型なら全バラシになる。

それでは廃棄するのと変わりない。

所有権は農場主にあるから再起動を要望されたら組み上げか。


頭が痛くなってきた。

「まだ続けられますかな?」

奥の扉が開いて、診療所のドクターが声をかけてきた。

今の時代に珍しく、白い診療着に身を包んでいる。

「あ、いや、もう終わります。」

「めずらしいでしょ、彼女、私が幼い頃はもっときれいだった、この町の名物ですよ、私たちの歴史の立会人です、私は美しかった頃の彼女にほれて、今の仕事を選んだといっても間違いじゃない」

「あんなに使い込まれたⅣ式ははじめて見ました、それにとても大切にされている」




「彼女、Ⅳじゃないですよ、聞いてません?」



のんびりとした声が、僕のうなじの毛を逆立てる。

「あの頃の登録なんて、自己申告みたいなもんですから、一番型があってるもので登録したそうですよ、まあ、今となっては部品交換で、ほとんどⅣ式だけど、中は紛れもない・・・・・・」





なんだって???


それから、どうやってそこへ行ったのかは覚えていない。

気が付くとドクターと一緒に、町の食堂に僕はいた。

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