ゼロからのスタート


女は突き飛ばされたヤツの
傍に行って何も言わずに
泣きながら笑いかけていた

安心する笑顔で
心の氷が溶けていく気がした

ドキッ

何だこれ?
も、もしかして?
い、いや俺に限ってそんなこと

そうやって自分に言い聞かせていたのかもしれない


それから目で追うようになって
よりによって藍川と仲がいいとは…めんどくせぇ


あいつは見てて飽きない

いろんな表情をする

あの日は、地味とか思ったが
よく見ると可愛いと思ってしまった

「やべぇよ」

「何がやばいの?」



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