好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
「お待たせしました。鴨肉のソテーと、牛ヒレのステーキになります。ライスとサラダはおかわり自由ですので、何なりとお申し付け下さい」



頭を下げて去って行く店員さん。

ナイフとフォークを持ち、「いただきます」と言う。



「美味しいぃ」



柔らかいお肉に、一口でも満足する。

枝玲奈は「ゆっくり食べなよ」と、笑う。



「彼氏も連れて来たりするの?」



「全く。私はテリトリーには入れない主義なのよ」



「鬼だなぁ。枝玲奈も」



「失礼な!私は犬みたいなもんよ」



「女豹にしか見えないから!」



鴨肉を頬張る顔。

完全にだ。
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