好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
食事を終えると、バーに移動する事になった。

酔ったのか、頬に少し熱を感じた。



「夜風が気持ち良いー」



枝玲奈の隣を歩きながら、腕を軽く広げて、全身で風を浴びる。



「酔っ払いは帰ったらー?」



「いんや!帰らないー」



2人で腕を絡めて、タクシーを捕まえる為に道路側に行く。

なのに“空車”が見受けられない。



「もう――ッ!!」



拗ねる枝玲奈。

私はあるタクシーを見て、タクシーを止める為に挙げてた手を下げた。



「ごめん、枝玲奈。やっぱり酔っ払いは帰ります!」



おどけて見せ、枝玲奈から離れる。
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